ホントは とじぇね

ホントは寂しがりやのシングルファザーが叫ぶ! 誰かに届け!誰かに響け!!

借金取りがやってきた

この間はごちそうさま

お昼の休憩中にラインが鳴った。彼女は悪びれもせず、ポップなスタンプと一緒にお礼の言葉を送信したつもりのようだ。

『あぁ、来たな』と思った。彼女から連絡が来た瞬間に、未払いになっている飲食代の請求だろうと予測できた。

ご馳走になったままだと悪いから、今度は私がご馳走します。いつがいい?

ははぁん。。。そうきたか・・・

 

※この話の続き

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持ち合わせが足りなくて、未払いのまま出てきてしまった飲み屋に、お金をどのように返そうか考えていた。幸子に渡そうか、それともお店に出向いて置いてこようか。どちらの場合にも気になることがある。

幸子に渡すということは、また顔を合わせなければならないということで、時間と場所が限られる。会いやすいのは仕事の後であり、また何かご馳走させられたら、たまったもんじゃない。

お店に出向いた場合、お金だけ置いて返ってくるのも、なんだか都合が悪いし、少し恥ずかしい。

しばらく悩んだ僕は、幸子の提案に乗ることにした。ラインの文章からすれば、とりあえず僕がまたお金を出すようなことは無さそうだ。別に何でもいい。ちょっと安い所で飲食して、お金を置いてパッと帰ってくればいいのだ。

 

そうなの?なんだか申し訳ないなぁ。でも、ちょうどお金も渡そうと思ってたし、お言葉に甘えようかな。

数時間あけて、僕はラインを返した。

何かリクエストある?との返信が来たので、ちょっと意地悪したくなった。別に僕は何でも良かった、なんなら居酒屋チェーン店クラスで十分だ。しかし、しかしこのまま幸子に対して甘い顔をしてはいられない気分だ。『美人だからといって、何でも許されると思うよ!!』

焼き肉がいいな。神の川(※仮名)

『神の川』とは、庶民的な焼肉屋で、しかしとても美味しい。味がいいのに値段は庶民的。だからとても人気のあるお店。この時期にすんなり予約がとれるものでもなく、突然行ったって入れるわけもない。僕は幸子を少しでも困らせたかった。

そして当日を迎えた。

 

 

 

5丁目の橋は、僕にとって定番の待ち合わせ場所。数日前まで雪景色だった秋田市も、現在は普段の12月と変わらない積雪無しの状態だ。でも、吐く息は白く、行き交う人の装いは冬そのもの。コートやらマフラーやら手袋などで覆いながら、足早に僕の前を過ぎていく。

そういえば、この5丁目の橋で、こんなこともあったよな・・・

www.hontoje.com待ち合わせ場所には、必ず早く着くようにしている僕。待たせるより待つ派。クリスマスに向かい、繁華街は派手な色どりを増している。通り過ぎる人々もなんだか楽しそうに見えて、独り身の僕は忘れていた寂しさを思い出していた。

 

私、今日は帰りたくない

 

そういえば幸子はこの間、僕に対してこう言ってくれた。確かにこう言ったのだ。あの日は、驚きの展開と驚きの金額に目的も忘れて帰ってきてしまった。しかし実際はどうだったのだろう。もし僕が帰らなかったら・・・・・

 

待ち合わせの時間から少し遅れて幸子はやってきた。落ち着いた雰囲気で、決して過度な主張をしないながらも、高級な衣服であること間違いなしで、これは焼肉屋に行くような装いではない。煙がモクモク立ち上がっている焼肉屋になど行こうものなら、匂いが付いて大変そうだ。『やっぱり神の川は無理だったな(笑)』意地悪が成功した僕は、心の中でほくそ笑んだ。それと同時に僕は思った。思ってしまった。

 

やっぱり綺麗だなぁ・・・

 

あの日、僕が帰らなかったら、幸子と。。。。

 

 

 

幸子に促された方向へ並んで歩いた。並んで歩く幸子からは、いい匂いがした。風が僕の方に向いた時、なんとも言えない柔らかい匂いが鼻孔をくすぐる。

女ってすげぇなって思う。本当に男が虜にされる時があるから。それは性欲という類のものでは無い。純粋に異性として強烈に意識し、我が物にしたいという強い欲求を沸き立たせる。その女性を手に入れる事により、自分の価値が高まる。周りからの評価も上がる。何よりその女を抱いている自分を想像すると、それはエロスなどではなく、野望というか、なんというか、男としての自尊心を満タンに満たしてくれる。

僕にとって幸子は、その部類にはいる女性だ。悔しいが。。。

 

 

 

見慣れた通りを並んで歩いて着いた先は、神の川だった。

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 つづく・・・・

 

少しでも誰かの心に響けたら!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。