気持ちよく飲んだ帰り道。
僕は自転車を押して歩いて帰る。いつもの飲み屋からのご帰宅だ。
五月の夜は、酒で火照った体には心地よい風を当ててくれる。
車通りも少なくなった時間帯。向こうにたたずむ信号は、誰も見てはいないのに、律義に仕事をこなしている。
歌でも歌いだしそうなぐらい、楽しく飲めたと、今日の出会いを回想する。
天気も良くて、星が見える。気持ちいいぃ!!
ふと気づくと、向こうから自転車が向かってきた。
同じ歩道を走りながらこちらに向かってくる。脇を通そうと、端による。ちょっと足がもつれたかも。。。「酔ってるな俺」と自己確認。
キキィーーーと音がして、目の前に自転車が止まった。
なんだこいつ???
じっと俺を見ている。年のころは50代前半だろうか。近くにある信号の青色が、そいつの顔の側面に当たり、ほんのり緑色に浮かび上がらせている。
『なんだクソガキ!』と言わんばかりの目で、こちらを見ている。
こちらも負けじと、『何見てんだよ、おやじ!』という視線をぶつけてやった。
そして僕は、『俺に文句があんのか!』という思いを込めて、威嚇した流し目をくれてやる。
するとそいつが、『こんな平日の真夜中に、ふらつくまで酒なんか飲みやがって!いい気になるな!』というオーラを発して、一歩前進してきた。
僕は『な、なんだコノヤロー!マラソンで鍛えた拳がお前にめり込むぞ!!』という、界王拳2倍のオーラを発して、力強く地面を踏む足裏に力を入れた。鍛えてるのは拳ではなく脚だが、まぁこの際、細かい事は気にしていられない。
すると向こうは『ヤルのかお前?俺は昔、柔道をやってたんだぞ』という本当か嘘か分からない意味を込めて自転車のブレーキがキッと鳴った。
それの音を聞いた僕は、『お前、それ以上近づいたら、俺のテリトリーに踏み込んだら、その低い鼻を顔面とフラットにしてやるぞ!!』と心の中で怒鳴ってやった。
男と男の戦いは、視線がぶつかったまま、時には泳ぎながら、最初から最後まで、一言も発することなく、30秒以上が経過した。
結局そいつは、俺の強さにビビり、いったん車道に出て俺を交わし、すれ違っていった。
良かったな、俺を本気にさせなくて。命拾いしたなお前。俺はヤルときゃヤルぞ!
いったい何だったんだと、回転が悪くなった頭で考えてみて、ひらめいた!
歩道は狭い。自転車に乗っていない俺は、体の右側に自転車を押して歩いている。
歩道一杯に広がった俺と自転車。通れなかったのだ・・・・・
すいませんm(__)m
酔った勢いというのは怖い。まして男同士は。
パンクブーブーのおかげで、警察沙汰にならずに済みました。
※意味が分かる人には分かる。
感 謝 m(__)m
酔いのまわる中、よく記事が書けました。僕、偉い。。。
少しでも誰かの心に響けたら!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。